アーチマガジンNo.145「ファスティングとは?なぜ脂肪が使われるの?」
「ファスティング」という言葉を聞いたことがありますか?
ファスティングとは、一定の時間、食事をとらずに過ごすことです。
例えば、夕食を食べてから翌日の昼食まで食事をとらない方法があります。水やお茶などを飲みながら、食事をする時間を制限するのが一般的です。
では、食事をしない時間が続くと、体の中では何が起こるのでしょうか?
ポイントは、体が使うエネルギー源が変わることです。
食事をすると、食べ物から糖が取り込まれます。すると「インスリン」というホルモンが分泌され、体は食事から入ってきた糖を優先的にエネルギーとして使います。
一方、食事をしない時間が続くと、インスリンの量が少なくなります。
すると体は、
「新しいエネルギーが入ってこないから、貯めていたエネルギーを使おう」
という状態になります。
そこで使われやすくなるのが、体に蓄えていた脂肪です。
脂肪は、実は非常に効率の良い「エネルギーの貯金」です。
糖やたんぱく質は1gあたり約4kcalなのに対して、脂肪は約9kcal。少ない量でたくさんのエネルギーを蓄えられるため、私たちの体は脂肪を大量に貯蔵しています。
ファスティングによって食事からのエネルギーが入ってこない時間が長くなると、脂肪が分解され、「脂肪酸」という形でエネルギーとして利用されるようになります。
さらに食事をしない時間が長くなると、肝臓では脂肪から「ケトン体」というエネルギーも作られます。ケトン体は脳や筋肉などでも利用できます。
つまり、
食べる
↓
食事から入ってきた糖を使う
という状態から、
食べない
↓
体に蓄えていた脂肪を使う
という状態へ、エネルギーの使い方が変わっていくのです。
もちろん、ファスティング中に脂肪が使われたからといって、必ず体脂肪が減るわけではありません。最終的には、1日や1週間単位でどれだけエネルギーを摂取したかも重要です。
それでもファスティングには、普段の食生活では使われにくい「体に蓄えた脂肪をエネルギーとして利用する時間をつくる」という大きな特徴があります。
食べないことは単なる我慢ではなく、私たちの体に元々備わっているエネルギーシステムを活用する時間とも考えられるのです。
ファスティングは、無理に長時間食べないことが目的ではありません。
まずは夕食を少し早めてみる、朝食までの時間を少し長くしてみるなど、無理のない範囲で食べない時間をつくることから始めても十分です。
「自分の体に合っているか」を確認しながら、できる範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

