アーチマガジンNo147『肝臓が弱ると筋肉も衰える?』
健康に関するさまざまな疑問にズバッと答える、Arch Magazine No.147の配信です!
肝臓が弱ると筋肉も衰える?サルコペニアと肝臓の意外な関係
皆さんは「サルコペニア」という言葉をご存じでしょうか?
サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する状態のことです。進行すると、歩く・立ち上がるといった日常動作が難しくなり、転倒や要介護のリスクも高まります。
これまで、サルコペニアの主な原因は筋肉そのものの老化や運動不足などが考えられてきました。しかし今回、国立長寿医療研究センターの研究によって、実は肝臓の機能低下も筋肉の衰えに関係している可能性が明らかになりました。
注目されたのは「乳酸」です。
乳酸は運動したときに筋肉で作られる物質です。実は、乳酸は筋肉だけで処理されるわけではなく、血液を通じて肝臓に運ばれ、再びエネルギー源となる糖に作り変えられます。
ところが、加齢によって肝臓の乳酸を処理する能力が低下すると、筋肉に乳酸が蓄積しやすくなります。
すると、筋肉の細胞内で「乳酸アシドーシス」と呼ばれる状態が起こり、細胞のエネルギー産生や機能維持に関わる仕組みに悪影響を及ぼします。その結果、筋力低下やサルコペニアにつながる可能性があるというのです。
今回の研究では、主に老齢マウスを用いた実験で、この仕組みが確認されました。また、肝臓の乳酸処理能力を高める薬剤によって、筋肉の状態が改善することも示されています。
もちろん、現時点では人間に対する予防・治療効果が確立されたわけではありません。しかし、筋肉の健康を考えるうえで、筋肉だけでなく肝臓など他の臓器の働きにも目を向ける必要があることを示す興味深い研究です。
筋肉を守るためには、筋トレだけでなく、身体全体の健康を維持することも大切なのかもしれませんね。
日頃の運動習慣に加えて、食事や飲酒習慣なども見直しながら、健康な身体づくりを続けていきましょう!
参考:国立長寿医療研究センター
https://www.ncgg.go.jp/ri/report/20260812.html

